<学生・及び就職希望の皆様へ>〜意見交換会でよくあるご質問について2024/10〜

次回意見交換会について、アナウンスしました。

ufotableデジタル映像部での制作に参加したい就職希望者とスタジオのチームスタッフとのセッションの場として企画されました。ufotableデジタル映像部の仕事をお伝えしながら、就職希望の皆様の疑問をすり合わせ、解決することを目的とするウェビナーです。

https://www.jobs-digitalteam.ufotable.co.jp/online-session

 


(これまで土曜日メインでしたが、今回は金曜日の午後となりますのでご注意ください。)

本来は主に業界志望の学生様向けの基本クローズドなイベントなのですが、会の性格上、毎年かなり内容が重複した質問をいただき、その度に個別にお話しさせていただいています。ご一緒する方によってフィードバックの粒度が変わっていくのが少人数開催の利点ですからそのようにしているのですが、その多くは同じような相談事であることを解決したいと常々考えています。そこで、よくある質問について、一度回答しておきます。

ご返答に関しては業界一般的なものではありません、あくまで弊社環境での視点に基づくものとなりますのでご了承ください。業界で仕事をしてみようという方々のお役に立てば幸いです。

それではご覧ください。

 

◼️私は撮影志望なのですが、After Effectsだけでなく3dsMaxやVFXにも精通している人材でないと就職は難しいのかどうかお聞きしたいです。

どちらでも問題ありません。ただ同等のスキルで、3Dも大丈夫ですって方が並ばれるとどうしても両方できる方を選びますよね。実際は地続きですから、何かしかの知識はあったほうがよいでしょう。弊社フローではハイドブリッドの比率が高いです。理解がある方が相性がいいので有利なのは間違いありません。ただしコンプはコンプで、より抜きんでたスキルやマッチングを感じたら、問題なく合流できると思います。あくまで前提として品質ありきの選考、加えてスタジオ文化とのマッチングを意識しています。

 

◼️どんな人と一緒に働きたいと思っているか?

作品の仕上がりを大事にしてくれる人です。

 

◼️撮影の技能に加えて、映像技法を知っていることは撮影としてプラスの評価になるか知りたいです。

なります。総合的に映像制作を理解しその中での撮影の役割とはなんだろうか…と考えていると、どうしてもショットの狙い、シーンの演出の狙いを理解できるかどうか、ということはまず大きなポイントになります。

ご質問で気になったのは、私たちの経験則として「評価でプラスになるからやろう」というプレイヤーより、作りたいものにフォーカスした結果、気が付いたら学んでいた―という方が健全な成長に近づけると考えているということです。文面から前者だとしたら学習のアプローチを再考することを提案するかも知れません。

 

◼️目を引くポートフォリオの特徴などはありますか。

学校でやったことをベースに自分で制作したオリジナルで埋めているもの。結果埋まってしまったもの。モチベーションが明確で学習姿勢が品質に表れているもの。やりたいが詰まっているデモリールは見ていて嬉しくなります。

 

◼️シーンの中で作画にするかCGにするのかどのように決め、制作しているのかお聞きしたいです。

コミュニケーションを重ねること、とお答えしています。

 

◼️3Dアニメーターにおいて、特に重要なスキルや経験など等があればお聞きしたいです。

部内の3Dアニメーターへ聞き取りしました。「キャラの動きやカット内容の意味・意図を常に考えること。日々の訓練として、たくさんアニメーションをつけて一回一回客観的な目線で自己採点をすること」となります。チームでは動きを付けるうえでは、人体なら人体、動物なら動物の構造を分析すること、という意見も出ました。知識・経験共に大切ですね。

 

 ◼️編集演出について、どのようなことを行なっているのか?

現在、世に出るほぼ全ての作品に纏わる関連映像を内製にしたいと考えています。CMや劇場予告は勿論、グッズや店舗の広報映像、イベントで使用する映像(最近ですとオーケストラのバック映像など)、作品本編以外にも数多くの映像が作品のために動いています。それらの個々の意図を理解し編集の業務範囲で実現していきます。

本編もいずれと思いますが、まだその規模にはなっておりません。進むべき道を建築中のポジションです。全自動でテイク管理を行う仕組みなどを進めており、ツール開発にもコミットしています。


◼️Blenderについて

ソフトについては細々気にしないでほしいというのが一番とお答えしつつ、とても多いので少しお話すると、現況は条件がそろえばパイプラインに取り込んでいます。既存アセットからMAXを重用していることは変わりません。それ以上にPFを見るときは、絵作りや映像センス、映画演出的な理解が共有できるかどうか、といったことを見ています。画材よりいい絵について考える時間が増えるといいですね。

 

◼️学生の間にやっておいたほうがいいことについて

これを考えるのが醍醐味だと思うので、成長の楽しみをとってしまうようで気兼ねします^^その上でということになれば、雑談程度に旅をおすすめしてます。旅行といっても、のんびり観光ではなく自分を試されるようなチャレンジのある旅です。

その他、若い世代の意見ではこのようなものありました。

「行きたいと思ってる会社はなるべくインターンとか(できれば長めのやつ)に行って、そこに就職したらどんな感じで働くことになるか体感しておくのがよいかなと。好きな映像作ってる会社でも自分と合うとは限らなくて。」

「チーム制作が経験として良かったです。卒制の時はコンテを描いたり、3Dのレイアウトを取ったり、コンポジットはほぼ全部やったり。会社入ってからその経験が活きてるなと思うことはあります。」若い世代は合理的ですね。

 

◼️ufotable Digital Teamさんに入社したいと考えている場合でアニメ撮影を志望する際、After Effects以外にスキルがあると嬉しいアプリケーションはほかにあるのでしょうか?

3dsmax ( tyflow , Pheonix , Railclone , ForestPack ) , embergen , liquidgen , blender , Houdini  , and more。 使用ツールは固定しませんし、採用時にアプリケーションで選ぶわけではないのですが、改めて現況を回答しておきます。ツールは問いません。

画材ではなく、描いた絵(映像)に何をこめたか、というところを見ています。一番嘘が出にくいところだからです。ツールは自然アーティストについてきますから、それを待ちたい。

ツール関連で思うことは、作品に対する全体感を持てるかどうか、、技術表現的にやりたいことはあるか、、自立した学習習慣は?作りたい映像にツールが紐づくのであって、逆ではないということです。「そうだよね、わかるよ」という方が出てきてくれると嬉しい、大切したいです。

機会があればまた追記します。ツール周りがとても多いです^^ 古いポストで似たようなことに回答していました、こうしてみるとあまり変わらないことも多いですね。若い世代の力や勢いは確実に強くなっています。反面、全体に、慎重な方が多くなったでしょうか。地に足のついたアーティストとしてアニメーションに関わっていきたいという方は是非ご参加ください。もちろん、直接エントリーいただくのも全然OKです。

今回は過去の質問リストを振り返って、重複が多いものをピックしました。深掘りしたい場合は直接聞いてくださいませ。

よろしくお願いいたします。

デジタル映像部