いつか会う戦友達へ向けて: 2020 updated



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更新情報 : 2016/10 に 近況に合わせ
「Q:3Dの経験は必要?」「Q:ツール開発って?」の項目を追加しました。
 
 
更新情報 : 2020/09 に 近況に合わせ
「Q:仕事はハードでしょうか?(勤務体系の話題など)」の項目を修正しました。

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しばしばデジタル映像部への各種お問い合わせを頂きます。
個別にお答えするのはフェアではないなぁと思い、このエントリーをお返事とすることにいたしました。以下は、弊社デジタル映像部を目指す学生さん向けとなります。

それでは、宜しくお願い致します。


Q:求めるスタッフについて
現在、特に求めているのはモデリング・アニメーションに強い意欲を持つ3DCGスタッフです。デジタル映像部内に入っていただきますので、コンポジットも含め、最終的なショット、ひいては作品に対する理解や責任を意識していく事を求めていきます。演出的な視野も必要ですので映画経験も必要です。


Q:AEの経験は必要?
AE(Adobe After Effects)でのコンポジットに関してはデジタル映像部の全スタッフに研修期間があり、基本スキルの習得プログラムは用意しています。3Dを中心に学んできた学生でも入社後問題なくufotableのワークフローに合流できる筈です。


Q:3Dの経験は必要?
必須ではないけれど、「あった方が良い」といえます。もっといえば、「経験(操作可能である)」以上に、実践的な映像制作能力(要求ラインの画を作る)が必要です。現場での各種制作においては、ショット毎の課題・問題を解決する為に柔軟な対応が求められます。そこで各種3Dツールは有用なソリューションとなる為です。
ただし、別の分野の素養…例えば、単純に強いアートを持つ=魅力的なコンポジットや2Dドローイングによるマットペインティング的アプローチ、更にはプログラム的思考によるテクニカルな解決姿勢等から生まれる映像も時に強く輝きます。多くは一概には言えず、総じて、を言葉にするならば、必須ではないけれど、「あった方が良い」ということです。


Q:ツール開発って?
別途、2016年に独立した紹介記事を用意しました。御覧ください。
:::: Link :::: 
[JOBS:学生向け]ツール開発・デジタル小道具のお話


余談:スキルパスやツール
入社してからの皆さんは三ヶ月の研修期間を終え、入れ替わりに実戦に望む事になります。実戦での経験は幅広く、最低限のオペレーションスキルは頭1〜3年で身についてしまうでしょう。勝負はそこからで、チームに不足している技術や新しい表現を個々で模索していくことになります。
その際、絵心や独学力・映画体験の蓄積の方が効いてきますし、初期段階での経験値は余り重視していない、といえます。そもそも将来的にAEを使い続けるかどうかは現在不明ですが、品質の高い映像、物語は必要とされ続けるだろうと思います。その為によりよいツール=画材があれば積極的に導入していく、というスタンスです。


Q:仕事はハードでしょうか?(勤務体系の話題など)
大変だなあという事もありますが、入社した時の僕の印象は、想像していたよりずっと安定感を感じた、ということです。自主制作期間が長かったので、一人で制作するよりたくさんの人と作っていたほうがお互いに助け合える環境が有難いのです。僕のチームの例だと、コアタイムを12:00-15:00 とし、前後の作業時間は各スタッフにゆだねている側面があります。例えば、早い時間帯の方が集中できるスタッフは10:00にINし、その分早めにOUTして自分の時間を調整しているようです。「対価・作品に対する自分の価値はなんだろう?」と自問することで適正な仕事量・アウトプットの品質が見えてくるのではないでしょうか?
 
「仕事はハードか?」について改めて考えてみました。この質問の難しさは「"やらされた"ならYes/"やりたい"ならNo」となることです。時に激しい作業ラッシュ(海外の制作現場でも"Crunch"といってタスクの集中期がある)が発生しますから、そんなときこそ、存分に自身や現場をコントロールして活躍していくことで成長も出来ますし、結果仕事は刺激的になっていきます。どう感じるか?ということだと思います。


Q:学生の時にやっておいた方がいいいこと
特にありません。代わりにデジタル映像部のスタッフから何人かの例を紹介しますね。

あるものは学生生活の傍ら、色々な映像プロダクションでバイトをしていました。業界の常識、基本的なデータの取り扱い、作品に対する意識、いずれ高い水準で現在も活躍中の若手スタッフとなっています。
またあるものは映像作家として数年間制作に没頭し、その独自の経験をスタジオでも類を見ない多くの面で作品に残し続けています。生きることは作ること。それを身を持って示してくれています。
他に、学生時代からプログラミングやS3Dの研究に取り組んでいたものもいます。
僕自身も制作に没頭していたタイプです。いつも時間が惜しく、最終的には学校の籍を外してしまいました。代わりの時間でたくさんの国を見て回った旅も今の仕事に生きています。
他にもスタジオスタッフ夫々に生きてきた道があります。皆、真剣に遊び、その中でたくさんの事を学んで来ました。その方法は色々で、はっきり言えるのは、言われてするものではない、ということです。
僕達の仕事の品質は日々の好奇心や映像への探究心で成立しています。
ですので自身を信じて、好きな事を、日々を楽しんで下さい:D
ずっと続くことですから、僕達も楽しんでいます。


Q:次の募集は?
スタジオにご興味のある方はufotableの公式ページ
Twitterをチェックしておいてください。
年に二度、公募を行うのが現在のペースです。

Q:見学について
見学に関するお問い合わせが増えています。
参考までに結果論にはなりますが、今一緒に仕事をしているスタッフで
見学して入社したタイプはほとんどいません。
興味を持っていただくことは本当に有り難いのですが、
"見学"というプロセスに明確な目的はあった方が良いと思います。
余程でない限り、その時間に勉強した方が得るものは多いでしょう。
代わりに作品やリールを作ってお見せ下さい。楽しみにしています。


最後に興味本位にて。ここからはみなさんへの質問です。
Q:(学生の方へ学校って何だろう?
みなさんは何のために学校へ行っていますか?
お金を払って勉強する立場から、お金をもらって勉強する立場に飛躍するわけです。
そして僕達も日々学んでいます。その違いは何なのでしょう?学生という言葉の真価はどこにあるのでしょう?映像制作に携わる限り、全てのキャリアは地続きです。学生だから仕方ない、もなければプロだから良い、も通用しないのです。
今の自分を証明するためには映像を作り、伝えていくほかありません。
それが仕事となり、あなた自身の強さとなり、これからを作っていくのだろうと思います。
自分を信じて日々の制作に邁進して下さい。



いつか会える、ぼんやりとした誰かを想像しながら書いてみました。何かしか伝わるものがあれば幸いです。それでは、いつか。


寺尾

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